福祉の現場でも話題のクラウドファンディング。それは資金集めの新たなカタチ。

ある福祉施設のリーダーさんが、カフェをオープンする夢を聞かせてくれました。でも資金集めにご苦労されているとのこと。
「最近話題のクラウドファンディングなら、多くの方に事業を知ってもらいつつ資金集めができるかも」
という私の言葉に興味を持ってくれたリーダーさんのために、今日はクラウドファウンディングのお話です。

クラウドファンディングとは?

クラウドとは「Crowd」=群集ファンディングは「Funding」=資金集めという意味で、この2つの言葉を組み合わせた造語です。
事業やサービス、アイディアを形にするなどの「目的」に対してインターネットを通じて不特定多数の人から資金を募集することです。クラウドファンディングには次の3つのはがあります。
(1)寄付型……出資者にリターンはなく寄付をするだけ
(2)購入型……出資者は募集者から商品を購入したり、権利を取得したりできるもの
(3)金融型……金銭的なリターンを伴うもの
募集するのは法人だけでなくグループや個人でも可能で、すでに日本では多くの方が自分のアイディアを実現するために利用されています。

福祉の現場での活用例も

では、実際に福祉の現場で活用されているクラウドファンディングの例をご紹介しましょう。

障害のある子の放課後等デイサービス送迎用の車両を購入

障害児通所支援事業所を運営しているこの会社では障害児が放課後や長期休業日などに施設に通所し、生活能力向上のための訓練や社会との交流促進などを目指しています。そこで放課後や夏休み、冬休みなどの通所のための送迎車の購入資金の募集を始めました。
[募集金額と謝礼]
1口3000円~30万円まで:子どもたちが書いたメッセージ入りカードや活動報告書など金額に応じてさまざま
[目標金額と集まった金額]
当初の目標金額160万円に対して126人が出資、1,815,000円が集まりました。

障害者がおしゃれに着られる服を世界中に発信するための費用

「車椅子や義足を使用する障害者もおしゃれなファッションを楽しめるように」という目的で服飾デザイナーが資金を募集しました。集まった資金で障害者に自分がデザインした洋服を着てもらい、健常者と同じファッションショーの舞台に登場させる活動をしています。
[募集金額と謝礼]
1口3000円~100万円まで:ファッションショーのパンフレットに名前を記載、タオルなど。100万円の出資者は年齢・性別・障害の有無を問わずファッションショーに出演が可能。
[目標金額と集まった金額]
200万円の目標に対して136人が出資し、233万円集まりました。

他にも「障害者の就労支援につながる無農薬・国産ハーブ化粧品と入浴剤の商品化」というプロジェクトに対して約40万円が集まった例や、「点字ブロック啓発のためのキャンペーンマスコット製作」プロジェクトを盲学校のPTAが立ち上げたところ、795,000円集まるなどの成果が出ています。

クラウドファンディング 始めるならどこがいい?

現在、日本には多くのクラウドファンディングのサービスを提供している会社があります。見ず知らずの人たちから資金を集めるのですから、信頼の置けるサービスを選びたいですよね。

Readyfor

日本で初めてクラウドファンディングサービスを開始しました。
医療問題や環境、教育、貧困問題などを助けるプロジェクトが多いのが特徴で、福祉関係の資金募集におすすめです。
公式サイト:https://readyfor.jp/

CAMPFIRE

日本最大級のクラウドファンディンサービスで、アートや音楽、芸術などのプロジェクトが多いのが特徴です。知名度と信頼性が高いのがおすすめポイントです。
公式サイト:https://camp-fire.jp/pages/about

WESYM

社会貢献のプロジェクトが多く、現金以外に楽天ポイントやTポイントでの支援が可能。現金での寄付に抵抗がある人でも安心して支援してもらえます。
公式サイト:http://wesym.com/ja/

COUNTDOWN

世界中に発信できるのが強み。それぞれの業界に精通するアドバイザーがプロジェクトのアピール方法や資金や謝礼の設定、有効活用の方法などをアドバイスしてくれます。
公式サイト:https://www.countdown-x.com/ja/

まとめ

これまで、福祉の現場での資金集めといえば、助成金をもらう、地域や関係者から寄付を募る、イベントで募金を集める・・・といった方法が多かったのではないでしょうか。
でも、クラウドファンファンディングならプロジェクトの趣旨に賛同する人を全国各地(場合によっては世界中)から集めることができます。支援する額も1口数千円から設定が可能です。
離れたところで応援してくれる人たちの輪が広がっていく・・・というのも、なんだかとても素敵ですよね。
もしも新たな事業をスタートするときの資金集めに苦労されているなら、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。